2015年5月20日水曜日

【映画感想文】ハンガー・ゲーム

4月から新しい生活がはじまり、自分でもびっくりするくらい映画を観ない日々が続いていた。暇な毎日を過ごしていたときはやることもなくて、とりあえず暇な時間を埋めるために映画を観て気がついたら真剣に観ていた。映画を観るには2時間くらい時間が必要で、他にもやるべきことがたくさんある。だから映画は後回しになってしまっていた。
このままだと映画を観るという習慣さえ無くなってしまいそうだった。だからこそこの週末は映画を観ようと決めた。
そうして選んだのが「ハンガー・ゲーム」という映画だ。

2012年に公開されたアメリカのアクション映画。
スーザン・コリンズ原作の小説『ハンガー・ゲーム』を映画化。

舞台は貴族が住むキャピタルを中心に囲む12の地区からなる独裁国家。貴族への反乱を抑止するために12地区から強制的に男女1人ずつを選び、最後の一人になるまで殺しあうハンガー・ゲームが行われる。主人公のカットニスは12地区に住む少女。選ばれた妹の代わりにハンガー・ゲームへ出場することになる。生き延びるためにカットニスは殺し合いのゲームで戦うことになった。

2012年に公開されたこの映画は殺し合いが中心になって話が進んで行く。なぜいまさらこの映画を見たかというと、ちょっと重い話を見たいと思ったからだった。
この映画の存在は毎週のようにゲオに通っていた時から知っていた。レンタルのランキングコーナーに長いこと置いてあった作品の一つだったからだ。ランクインしているってことは面白いのだろう。しかし、人が死んでいく映画はあまり好きじゃない。誰に感情移入すれば良いのかわからないからだ。

ただ、この映画は面白かった。話はすべて主人公目線で進んで行く。つまり、私は最初から最後まで主人公目線でこの話を観ることができた。なんて親切な映画なのだろう。話は王道的で、主人公がハンガー・ゲームに疑問をもち、自分の思うままに行動していく。しかし、壁にぶち当たり自分が思うままに行動することは正しくないのかもしれないと葛藤する。まあまあ予測できるストーリー展開だった。それでもこの映画は面白い。ストーリーの展開はいくつか予測出来て、そのなかから何が選ばれるのかは直前までわからない。どうするのかな。なんて考えながら観ることができた。そして、疑問も心地よいバランスで残して終わる。まあ続編があるのだけれど……。
考えながら見れるアクション映画としては久しぶりに面白いと思えた。
続編もすぐに観たけれど、もう続きが気になってしょうがない。
私が期待している以上になっとくの行く終わり方になっていればいいな。なんて思って公開を楽しみにしている。
ただ、この作品、最後は2本に分かれているらしい。
そして、次は6月に公開、最後は11月に公開予定らしい。
まだまだ先が長い。
原作は完結しているのだから、あと数日この熱が冷めなかったら先に読んでしまう気がする……。楽しみにとっておくかどうか今最大の悩みだったりする。

2015年1月5日月曜日

映画感想文【妹の恋人】

2015年、最初の映画は何を観ようか色々考えた結果見たことも聞いたことも無い
新しい映画を観ることにした。要するに『ジャケ買い』だ。
アクションもサスペンスもSFもコメディも好きだがやっぱり柔らかい雰囲気の映画が好き。
そんな私が選んだのが【妹の恋人】という映画だった。

1993年に公開されたアメリカの映画。
 監督 ジェレマイア・チェチック

火事で両親を失った兄弟、兄ベニーと妹ジューンの話。
ジューンは両親の死のショックから、精神を病み一人では生活が出来なくなってしまう。
そんなジューンをベニーは自動車整備工場で働きながら12年もの間世話をしていた。
ベニーが働いている間に家政婦がジューンの面倒を見ていたが、精神を病んだジューンの奇行に耐えきれずすぐに辞めてしまう。次の家政婦も見つからず、問題ばかり起こすジューンを精神科医は施設に入れるべきだと進めてきた。悩んでいたベニーに友人は妹に振り回されず、離れてみることも大切だと助言する。そんなとき、友人の従兄弟で非識字者のサムを預かり、家政婦のかわりとして家に置くことになる。サムとの出会いで変わって行く妹のジューンと誰よりも妹思いなベニー2人の成長ストーリー。

この映画を選んだ理由は最初に書いた通り、雰囲気に弾かれたから。
映画の本編の映像もふんわりとした絵ばかりだった。
ジューンはぱっとみ普通の女の子なのに、突然叫び出したりシュノーケルマスクを付けながらジュースを作ったりと異常な行動を起こす。この演技がとてもよかった。
大抵の映画に出てくる精神異常な人は行動が大げさで演技が派手な印象がある。しかし、ジューンはリアリティのある異常。それが普通の女の子では無いという認識を強くさせていた。
ジューンが出会う青年サムは非識字で変わったところのある人物だが、パントマイムの才能があった。そんな彼なので、映画の中で言葉を発することは少ない。
それでも話が成り立っていたのは、サムの表情にあった。少しの口角の上げ方の違いや、目で感情を見事に表現していた。
出演者の演技はとてもすばらしいと思えた。しかし、気になったのはストーリー展開だ。
正直最後までサムの異常さは何を表現したいのかわからなかった。ジューンが精神を病んでいて、サムは字を認識できない。それだけの青年だったらまだわかる。ただ、突然パントマイムを初めてみたり、目が笑っていないのに行動は笑いをとりにいっている。本気なのか、ジョークなのかその説明が全くなかった。私は最後の方までサムも精神を病んでいるのかと思っていた。しかし、まともな場面もあったのだ。見る人によってサムの印象が変わるのかもしれない。それが狙いだったのかもしれない。しかし、私は説明の少ないストーリー展開に疑問が残った。そんな映画だった。

 この文章を書くために妹の恋人という映画の概要を調べた。そこで初めてサムを演じていたのがジョニーデップだったと知った。どうりで表情の表現が上手いわけだと納得せざるを得なかった。調べるまで気がつかなかった自分に驚いたし、気づかないほど若いジョニーデップの姿が今と違っていた。顔が違うというより、ジョニーデップの素顔の印象があまり無いせいだ。若い頃のジョニーデップを見たいという人にはぜひ一度この映画を観てもらいたい。