2015年1月5日月曜日

映画感想文【妹の恋人】

2015年、最初の映画は何を観ようか色々考えた結果見たことも聞いたことも無い
新しい映画を観ることにした。要するに『ジャケ買い』だ。
アクションもサスペンスもSFもコメディも好きだがやっぱり柔らかい雰囲気の映画が好き。
そんな私が選んだのが【妹の恋人】という映画だった。

1993年に公開されたアメリカの映画。
 監督 ジェレマイア・チェチック

火事で両親を失った兄弟、兄ベニーと妹ジューンの話。
ジューンは両親の死のショックから、精神を病み一人では生活が出来なくなってしまう。
そんなジューンをベニーは自動車整備工場で働きながら12年もの間世話をしていた。
ベニーが働いている間に家政婦がジューンの面倒を見ていたが、精神を病んだジューンの奇行に耐えきれずすぐに辞めてしまう。次の家政婦も見つからず、問題ばかり起こすジューンを精神科医は施設に入れるべきだと進めてきた。悩んでいたベニーに友人は妹に振り回されず、離れてみることも大切だと助言する。そんなとき、友人の従兄弟で非識字者のサムを預かり、家政婦のかわりとして家に置くことになる。サムとの出会いで変わって行く妹のジューンと誰よりも妹思いなベニー2人の成長ストーリー。

この映画を選んだ理由は最初に書いた通り、雰囲気に弾かれたから。
映画の本編の映像もふんわりとした絵ばかりだった。
ジューンはぱっとみ普通の女の子なのに、突然叫び出したりシュノーケルマスクを付けながらジュースを作ったりと異常な行動を起こす。この演技がとてもよかった。
大抵の映画に出てくる精神異常な人は行動が大げさで演技が派手な印象がある。しかし、ジューンはリアリティのある異常。それが普通の女の子では無いという認識を強くさせていた。
ジューンが出会う青年サムは非識字で変わったところのある人物だが、パントマイムの才能があった。そんな彼なので、映画の中で言葉を発することは少ない。
それでも話が成り立っていたのは、サムの表情にあった。少しの口角の上げ方の違いや、目で感情を見事に表現していた。
出演者の演技はとてもすばらしいと思えた。しかし、気になったのはストーリー展開だ。
正直最後までサムの異常さは何を表現したいのかわからなかった。ジューンが精神を病んでいて、サムは字を認識できない。それだけの青年だったらまだわかる。ただ、突然パントマイムを初めてみたり、目が笑っていないのに行動は笑いをとりにいっている。本気なのか、ジョークなのかその説明が全くなかった。私は最後の方までサムも精神を病んでいるのかと思っていた。しかし、まともな場面もあったのだ。見る人によってサムの印象が変わるのかもしれない。それが狙いだったのかもしれない。しかし、私は説明の少ないストーリー展開に疑問が残った。そんな映画だった。

 この文章を書くために妹の恋人という映画の概要を調べた。そこで初めてサムを演じていたのがジョニーデップだったと知った。どうりで表情の表現が上手いわけだと納得せざるを得なかった。調べるまで気がつかなかった自分に驚いたし、気づかないほど若いジョニーデップの姿が今と違っていた。顔が違うというより、ジョニーデップの素顔の印象があまり無いせいだ。若い頃のジョニーデップを見たいという人にはぜひ一度この映画を観てもらいたい。



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